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感想

話題のベストセラーということで手に取った一冊だが、予想以上の面白さに一気読みしてしまった。銀行襲撃という犯罪を題材にしながら、単なるアクション冒険譚ではなく、兄弟関係の複雑さや社会への不信感といった深い背景が丹念に描かれている点が秀逸だ。 主人公レオの行動原理が明確に設定されており、読者は彼の動機に納得できる形で物語に引き込まれていく。軍倉庫での銃の盗難という冒頭のエピソードから、計画の全貌へと至るまで、緊張感あふれる構成は見事。青年たちの視点で描かれることで、理想と現実のギャップ、計画と実行のズレが生々しく伝わってくる。 教室で生徒たちの人間関係を見つめる身として興味深かったのは、登場人物たちの心理描写である。彼らがなぜ犯罪に走るのか、その根底にある葛藤や救いようのなさまでもが丁寧に紡がれているからこそ、物語に説得力が生まれている。一筋縄ではいかない青春群像劇として、十分な完成度を備えた傑作だと言えよう。上巻で既にこの引き込まれぶりなら、続きが気になって仕方ない。