これが本当のSPI3だ! 2028年度版 【主要3方式〈テストセンター・ペーパーテスト・WEBテスティング〉対応】
SPIノートの会 講談社 2026年1月21日
進路指導の担当になったのをきっかけに、手にしてみました。生徒たちがSPI対策で悩んでいるのを見ると、信頼できる一冊があるといいなと思っていたからです。 この本は噂通り、本当によくできている。業界No1というのは伊達ではなく、テストセンター、ペーパーテスト、WEBテスティングという三つの主要方式に対応した網羅的な内容になっています。教員として感心するのは、単なる問題集ではなく、各問題パターンの解き方が実に丁寧だということ。生徒に説明する際の参考にもなります。 装丁も使いやすく設計されていて、繰り返し学習するのに適しています。ボリュームがあるので一見すると重く感じるかもしれませんが、それが逆に安心感につながる。これだけやり込めば大丈夫という確かな手応えが感じられます。 強いて言えば、更新版ということで問題の一部が差し替わっているので、前年度版を持っている人は確認が必要ですが、これは仕方ないでしょう。生徒たちにも自信を持ってお勧めできる一冊です。
最近登録された他の本の感想
2026年08月13日
前作『嫌われる勇気』から3年。あの衝撃を覚えている読者なら、この続編は必読だろう。本書の素晴らしさは、理論だけに留まらず、実践の苦しみに真摯に向き合っている点にある。 青年の「アドラーは空論ではないか」という問い掛けは、実は多くの読者が感じているのではないだろうか。教育現場にいる私も、理想と現実のギャップに悩むことは少なくない。その葛藤を哲人がどう解きほぐすのか、その対話の中に、本当の意味での「幸せになる勇気」が隠されている。 アドラー心理学の核心に改めて触れることで、前作では気付かなかった深さが見えてくる。特に「人生最大の選択」というテーマは、45歳という人生の折り返し地点にいる身として、非常に考えさせられた。決して押し付けがましくなく、読み手に問い掛けを投げかける構成も秀逸だ。 人間関係や人生の選択に迷っている方には、強くお勧めしたい一冊である。
2026年08月03日
話題の本として新聞でも取り上げられていたので、手に取ってみた。就活を控えた大学生たちの群像劇というシンプルな設定だが、読み進むにつれ、その奥深さに引き込まれた。 著者は学生たちの内面を丹念に描き出している。SNSで演出された自分と本当の自分のズレ、就活という通過儀礼の中で揺らぐアイデンティティ、親や社会からの見えない圧力―こうした要素が絶妙に織り交ぜられている。特に印象的だったのは、誰もが何らかの「影」を抱えながら生きているという視点だ。これは何も学生に限った話ではなく、教育の現場にいる自分自身にも突き刺さる問題提起である。 構成も工夫されており、複数の視点が重なり合うことで、同じ出来事が違う意味を帯びてくる面白さがある。やや冗長に感じる箇所もあったが、全体としては現代社会の違和感をよく捉えた傑作だと思う。若い世代だけでなく、大人が読んでも多くの気づきが得られる作品。
2026年07月27日
最近、学校の生徒たちがゲームの話題で盛り上がっているのをよく耳にするので、その流行を理解したいと思ってこの号を手に取ってみました。 STAGE naviは業界向けの専門誌という性格が強く、最新作の情報やゲーム業界の動向についてはしっかりカバーしている印象です。ただし、普通の読者の視点からすると、やや業界寄りの記事が多く、一般向けの解説や背景情報がもう少しあると読みやすかったのではないかと感じます。 教員という立場からすれば、生徒たちの関心事を把握する手がかりとしては役立つ情報もあります。しかし、深掘りした分析や多角的な視点が乏しいため、読んだ後に「なるほど」という納得感が生まれにくいのが正直なところです。 エンタメ・ゲーム誌として見た場合、可もなく不可もない、といった評価が妥当かもしれません。定期購読するほどではありませんが、業界の最新情報をサッと知りたいときにはそれなりに有用な一冊です。時流に敏感でいたい方には向いているかもしれませんね。
2026年07月04日
赤川次郎のデビュー50周年記念作ということで手に取ったが、これは本当に傑作だ。捜査一課の刑事と殺し屋という正反対の立場にありながら、幼稚園からの大親友という設定の緊張感がたまらない。二人の友情と立場の相克を描くプロットは、単なるエンタメに留まらず、人間関係の本質に迫る深さがある。 赤川次郎の真骨頂は、こうした綻びが生じた関係性をどう描くかにあるのだろう。容子が結美を護衛するという逆転の構図も秀逸で、ページをめくる手が止まらなくなった。映画化もされたというのも納得できる仕上がりで、青春クライムサスペンスとしてのエンターテインメント性と人間ドラマのバランスが実に良い。 教員として生徒たちに「物語とは何か」を考えさせる素材としても活用できそうな一冊。久しぶりに面白い小説に出会った。文庫版での再刊行は、より多くの読者に手に取ってほしい良い判断だと思う。
2026年07月01日
NHKの人気シリーズの最終章ということで、期待を込めて手に取りました。現代人の生活環境の変化が人体に及ぼす影響という、確かに興味深いテーマです。教室でも生徒たちの睡眠不足やスマートフォン依存について考えることがあるので、その科学的背景を理解したいという思いもありました。 しかし、実際に読んでみると、内容がやや散漫に感じられます。シリーズ最終章と銘打つわりに、各トピックが十分に掘り下げられておらず、表面的な説明に終わっている箇所が多い。特に「この先、ヒト研究は何を明らかにするのか」という冒頭の約束が、最後まで明確に答えられていない印象を受けました。 テレビ番組を書籍化した関係上、映像的な視覚情報に頼る部分が大きいのだと思いますが、紙メディアではそれが弱点になっているように思います。もう少し踏み込んだ解説があれば、教育現場での活用にも耐えたのではないでしょうか。良い題材なだけに、やや惜しい仕上がりです。
2026年06月21日
丸の内シリーズの19巻が手に入ったので、さっそく読み始めました。このシリーズは気軽に読める娯楽小説としての立場を守りながら、毎回しっかりした謎解きのプロット組みが秀逸です。 今回は北海道の美瑛を舞台にした心霊調査。最初は古典的な怪奇譚かと思わせておきながら、意外な方向へ物語が展開していく構成が面白い。霊が絡む話かと思いきや、その前提が揺らぐあたりの納得感は、著者の話作りの上手さを改めて感じさせます。 18巻までの登場人物たちの関係性も自然に機能していて、長く続くシリーズながら厚みが失われていない。特に第六メンバーのそれぞれが持つ能力や個性が活かされた調査の過程は、読んでいて気持ちがいいですね。 教室で生徒たちに本の話をすることも多いのですが、このシリーズは「物語の面白さとはなにか」を示す良い教材にもなっています。複雑になりすぎず、でいて工夫に満ちた構成。次の巻も楽しみです。
2026年06月12日
最近、書店で話題になっていた本書をようやく読み終えました。湊かなえ作品には定評がありますが、本作もその期待を裏切りません。 平凡なサラリーマンと女性の出会いから始まる物語は、一見するとありふれたラブストーリーのようですが、そこに隠された「闇」が徐々に浮かび上がってくる緊張感が素晴らしい。深瀬という主人公の心理描写が丁寧で、罪悪感と現在の幸福の間で揺れ動く姿が、私たちの心の奥底にある複雑さを見事に映し出しています。 何が興味深いかといえば、この小説が単なるサスペンスではなく、人間関係における信頼と秘密のテーマを深く掘り下げている点です。教職にある身として、生徒たちもまた多くの秘密を抱えて生きていることを改めて考えさせられました。 文庫版という手頃なサイズも良く、通勤時間にぐんぐん引き込まれていく没入感。現在進行形で「何が起きるのか」という期待感を保ちながら読み進められる構成は、この著者の筆力の証だと感じます。
2026年06月11日
映画化の話題で再び脚光を浴びている本書、文庫版が出たので購入してみました。正直なところ、こうした話題作は往々にして期待と現実のズレが生じるものですが、この本は違いました。 北野武との対談や著者の日常を綴ったエッセイの数々を読んでいると、本当に吹き出してしまいます。年相応の思慮深さと、思わず肩の力が抜けるユーモア、その両者が絶妙に両立しているんですね。教員生活の中で、つい神経をとがらせてしまう場面は多いのですが、この本を読むと「こういう風に人生を捉える選択肢もあるんだ」と考えさせられます。 特に印象深いのは、著者が自分の年齢や身体の衰えについて語る部分です。深刻にならず、かといって軽佻浮薄でもなく、そこに清々しささえ感じられる。世代を超えた読者に支持されるのも納得です。教育現場にいる身として、老年期の豊かな過ごし方について考える上でも、大変参考になりました。
2026年06月08日
話題のベストセラーということで手に取った一冊だが、予想以上の面白さに一気読みしてしまった。銀行襲撃という犯罪を題材にしながら、単なるアクション冒険譚ではなく、兄弟関係の複雑さや社会への不信感といった深い背景が丹念に描かれている点が秀逸だ。 主人公レオの行動原理が明確に設定されており、読者は彼の動機に納得できる形で物語に引き込まれていく。軍倉庫での銃の盗難という冒頭のエピソードから、計画の全貌へと至るまで、緊張感あふれる構成は見事。青年たちの視点で描かれることで、理想と現実のギャップ、計画と実行のズレが生々しく伝わってくる。 教室で生徒たちの人間関係を見つめる身として興味深かったのは、登場人物たちの心理描写である。彼らがなぜ犯罪に走るのか、その根底にある葛藤や救いようのなさまでもが丁寧に紡がれているからこそ、物語に説得力が生まれている。一筋縄ではいかない青春群像劇として、十分な完成度を備えた傑作だと言えよう。上巻で既にこの引き込まれぶりなら、続きが気になって仕方ない。
2026年06月07日
本屋大賞ノミネート作ということで手に取った『spring』。10年の構想期間を経た作品というだけで、著者の覚悟のようなものが感じられます。 バレエという表現芸術を通じて、一人の天才舞踊家の人生を描いた作品ですが、これが実に奥深い。教員生活が長いせいか、才能と努力、そして時代との出会いが人を形作っていく過程が、強く心に響きました。萬春という主人公の名前自体が「あらゆる季節を抱く」という意味だとは、細かい工夫です。 物語は少年時代から国際舞台での活躍まで、時間軸を巧みに操りながら展開します。「踊る者、作る者、見る者、奏でる者」という複数の視点から一人の人物像が立体的に浮かび上がってくる構成は、『蜜蜂と遠雷』を彷彿とさせながらも、また異なる魅力を放っています。 バレエの世界についての知識がなくても、表現者の本質的な葛藤や美しさが伝わってきます。「俺は世界を戦慄せしめているか?」という問いが、読み進むたびに重みを増していく。教室で教えることの意味を改めて考えさせられた、そんな一冊です。
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