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「学力」の経済学

「学力」の経済学

中室 牧子 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2024年6月29日

感想

経済学の手法を教育研究に応用するという、いかにも現代的なアプローチに惹かれて手に取りました。管理職として人材育成に携わる身として、データに基づいた教育効果の検証は大変参考になります。 本書が提示する「費用対効果」という視点は、ともすると感情論に流れやすい教育議論に一石を投じるもの。著者の中室牧子氏が引用する各種研究から、直感的に「良い」と思われている施策が必ずしも成果につながらない現実が浮き彫りになります。たとえば、学習支援の方法一つとっても、科学的証拠がいかに重要かが理解できます。 ただ、経済学の視点のみでは捉えられない、教育の本質的な価値については物足りなさを感じました。効率性と人間形成のバランスについても、さらに深掘りしてほしかった側面もあります。 それでも、意思決定の根拠として「根拠のない慣習」に頼っている組織や個人にとって、本書は大きな示唆を与えてくれるはず。新書という手軽なフォーマットも、忙しい社会人にはありがたい。教育政策に関心のある方には、ぜひ一読をお勧めします。

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