チョコの本棚
感想

マザー・グースの完結巻に辿り着いて、率直に言って満足度が高い。全4巻を通じて、この英語圏の伝統童謡集がいかに奥深く、また興味深い文化的財産であるかを改めて認識させられました。 特に印象的だったのは、翻訳者の軽妙さです。原文のナンセンスやペーソスを損なわず、日本語で読むときの自然な流れを保つというのは、実は相当な技巧が必要です。管理職の立場で多くの文章に接する身としても、この訳の質の高さには感服しました。 39の物語唄が収録されているこの巻も、くすっと笑わせられたり、ふと深く考えさせられたり。子どもの時代には気づかない風刺やユーモアが、大人が読むと別の魅力として浮かぶんですね。 巻末の楽譜や全索引も、全4巻を完読した読者への親切な配慮です。シリーズを通して、編集・構成も含めて丁寧な仕事がされていると感じます。人文・思想の奥行きと、普遍的なエンターテインメント性を両立させた良き完結と言えるでしょう。

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