マザー・グース4
講談社 | 1981/10/01
みんなの感想
マザー・グースの完結巻に辿り着いて、率直に言って満足度が高い。全4巻を通じて、この英語圏の伝統童謡集がいかに奥深く、また興味深い文化的財産であるかを改めて認識させられました。 特に印象的だったのは、翻訳者の軽妙さです。原文のナンセンスやペーソスを損なわず、日本語で読むときの自然な流れを保つというのは、実は相当な技巧が必要です。管理職の立場で多くの文章に接する身としても、この訳の質の高さには感服しました。 39の物語唄が収録されているこの巻も、くすっと笑わせられたり、ふと深く考えさせられたり。子どもの時代には気づかない風刺やユーモアが、大人が読むと別の魅力として浮かぶんですね。 巻末の楽譜や全索引も、全4巻を完読した読者への親切な配慮です。シリーズを通して、編集・構成も含めて丁寧な仕事がされていると感じます。人文・思想の奥行きと、普遍的なエンターテインメント性を両立させた良き完結と言えるでしょう。
マザー・グース全4巻をようやく完結させました。工学系の仕事をしていると、どうしても論理的で実用的な本に偏りがちなのですが、この作品の持つナンセンスと奇想天外さに随分と救われた気がします。 英語圏の伝統的な童謡・わらべうたを日本語で味わうというのは、本来ならば何か失われてしまうものがあるかもしれません。ところが、この訳者の手にかかると、むしろそのナンセンスぶりが一層鮮烈に立ち上がってくる。論理的な思考回路でばかり動いている日常から、一瞬にしてずれた世界へ引っ張り込まれる快感があります。 完結巻の39篇は、それぞれが小さな詩的な完結性を持ちながらも、全体としてはカオティックで、荒唐無稽で、どこか深い何かを秘めている。楽譜付きというのも素晴らしく、リズムとしても楽しめる構成になっているのが感心します。 4巻を通じて336篇という圧倒的なボリュームをこなした訳者の労力と感性に、心から敬意を払いたくなる一冊です。
全4巻を通してついに完結したマザー・グース、最終巻まで楽しみました。若い頃は子どもの寝かしつけで読んだことがありますが、改めて大人になって読むと、また違った味わいがありますね。 この訳者の軽妙絶妙という表現、まさにその通り。ナンセンスで奇怪奇想天外な内容なのに、どこか温かみがあって、ついにっこり笑ってしまう。自営業で毎日気ぜわしく過ごしていても、こういう気軽に楽しめる一編一編が、ちょうど良い息抜きになります。 特に嬉しいのが、巻末に楽譜がついていることです。昔の歌も思い出しながら、孫たちに歌って聞かせるのも良さそう。全4巻の総索引もあるので、全体を見直すのに便利ですね。 イギリスの文化的な財産と言われるだけあって、奥深さがありながらも気軽に読める。文庫本というのもちょうど良いサイズで、電車の中でもポケットに入れて持ち歩ける。人生経験が増えてからこそ味わえる、優しくて楽しい本だと思います。