チョコの本棚
感想

マーク・トウェインの若き日の力強い筆致に引き込まれました。19世紀の実在の旅を題材にしながらも、その観察眼の鋭さと語り口の軽妙さで、単なる旅日記を傑作へと昇華させている——それがこの作品の魅力です。 管理職として日々多くの情報を処理する身にとって、トウェインのように事象をシンプルかつ本質的に捉え、それを機知に富んだ言葉で表現する能力には深く感銘を受けました。ヨーロッパと聖地への旅を通じて、当時の文化的偏見や旅人の思い込みを見事に風刺しながらも、どこか温かみのある筆運びが秀逸です。 実用的なガイドとしても優れており、初めてこれらの地を訪れる旅人にとって確かな羅針盤になるでしょう。しかし何より、この本が示すのは、優れた作家がいかに世界を見つめ、言語を操るかという創作の本質です。同時代の古典を読むことの豊かさを改めて実感させてくれた一冊です。

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