チョコの本棚
感想

管理職という仕事柄、論理的思考力ばかりが求められる日々から逃げ出したくて、この新書版グリム童話集を手に取りました。童話というと子どもの読み物と思いがちですが、グリムの物語はずっと深い。人間の根源的な欲望や恐怖、そして救済がこれ以上ないほどシンプルな物語の中に凝縮されています。 第4巻に収録された作品群からは、特に道徳的な教訓よりも、人生における選択の重みが伝わってきました。登場人物たちが直面する難題の数々は、現代社会の複雑な問題とは異なるスケール感ですが、むしろそのシンプルさが逆説的に深い思考をもたらします。 翻訳も洗練されていて読みやすく、通勤時間の片手間でも引き込まれます。大人が読み返すことで初めて見えてくる、人間らしさへの優しい眼差しがあるのが素晴らしい。疲弊した心を整理し、本質的なものを問い直す時間をくれる一冊です。

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