文子の本棚
感想

図書館を舞台にしたこのお話、本当に素敵でした。高校生の女の子が、本の世界に逃げ込んでいた心が、ある青年との出会いで少しずつ変わっていく。そういう繊細な心の動きが丁寧に描かれているんです。 藤子・F・不二雄の作品が物語の中に息づいているのも良いアクセント。私たちの世代でも懐かしさを感じさながら、若い世代にはどう映るのかなって思いながら読んでしまいました。 何より驚いたのは、この物語がどんでん返しと言うか、予想外の方向へ進んでいくところです。最初は青年と理帆子の心の交流が中心だと思っていたのに、だんだんと大きな謎が浮かび上がってくる。文庫本であっても一気読みしてしまいました。 パート勤務で忙しい日々ですが、こういう心が温かくなる小説は、夜寝る前に読むと本当に良いですね。辻村深月さんの魔法のような筆致に、またやられてしまいました。気軽に読める文庫本だからこそ、誰にでもお勧めできる一冊だと思います。

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