文子の本棚
感想

図書館で見つけたこの本、タイトルが素敵だなと手に取ってみました。数学者が書いた思想の本というのは珍しいですし、興味深いだろうと思ったんです。 読み始めてみると、岡潔さんの言葉がね、すっと心に入ってくるんですよ。日本の文化の根底にある「情緒」について丁寧に語られていて、戦後失われていく大切なものについて改めて気づかされます。複雑な理論じゃなくて、自分の経験や思い出を交えながら話してくれるので、難しくもなく読みやすい。 パートで毎日忙しく過ごしていると、つい便利さや効率ばかり考えてしまうんですが、この本を読んでいると、自然の中で感じる季節の移ろいとか、そういった当たり前のことの大切さを思い出させてくれます。今の時代だからこそ、余計に必要な視点なんじゃないかな。 春の夜の静けさの中で読むのに、ちょうどいい一冊です。同年代の方にも、若い方にも読んでもらいたい。心が温かくなりますよ。