はるかの本棚
平和と愚かさ

平和と愚かさ

東浩紀 ゲンロン 2025年12月18日

感想

話題になっていたこの書を手に取ったのは、管理職という立場で日々「判断」や「意見」を求められる自分の思考方法に疑問を感じたからです。著者の「ぼくたちは政治について語りすぎている」という冒頭の問いかけは、まさに現代社会への鋭い指摘。 特に印象的だったのは、平和を論じるために私たちがいかに固定的な立場を取り、対立を深掘りしているかという分析です。ウクライナやベトナム、中国といった具体的な事例を通じて、歴史修正主義や記憶の問題へと論を進める論理の厳密さに引き込まれました。 組織内での意思決定場面を想起しながら読むと、この本の主張がいかに実践的か痛感します。「考えないこと」という一見逆説的なタイトルながら、実は最も思慮深い思考方法への招待状なのだと気付きました。現在の国際情勢を理解したいと考える大人にこそ必要な一冊です。