直人の本棚
北極星 僕たちはどう働くか

北極星 僕たちはどう働くか

西野 亮廣 幻冬舎 2026年3月12日

感想

西野亮廣の新刊『北極星』を手に取った時、正直なところ、この著者がここまで本気で仕事観を語る日が来るとは思っていなかった。34時間で4億8000万円という常識外れの数字の背景にある思考プロセスを、ここまで体系的に記したビジネス書は珍しい。 本書の最大の価値は、具体的な挑戦から得た知見が、単なる成功談ではなく、これからの働き方そのものに対する問い直しになっている点だ。前著『夢と金』から3年。その間に彼が経験したスケールの大きさは日本人のほとんどが未体験の領域であり、そこから引き出された示唆は、規模を問わず多くのビジネスパーソンに響くだろう。 58の身で思うのだが、会社人生の後半戦に入ると、「どう働くか」という問いは避けられない。本書が提示する「北極星」という概念は、判断基準として実用的で、これからの人生をナビゲートする上で参考になる。ただ、著者特有の熱量と理想主義が強いため、現実的な制約との折り合いをどうつけるかは、読み手の工夫が必要だと感じた。話題の著作として、一度は目を通す価値がある。