三浦の本棚
感想

懐かしさと新しさが同時に押し寄せてくる、そんな感覚で読み終わった。大学という限定的な時間軸の中で、5人の若者たちが織り成す人間関係の物語だ。 正直なところ、最初は少々とっつきにくさを感じた。設定を聞くだけではよくある青春小説に思える。ただ、読み進めるにつれて、著者がこれほどまで丁寧に人物を描き分けていることに気づかされた。ボウリング、麻雀といった日常の出来事から、通り魔との遭遇といった非日常まで、様々な経験が積み重ねられていく。それらが単なる挿話ではなく、各自の成長を促す必然として機能している。 パンクロックのビートという表現は大げさではない。テンポ感の良さと、青春特有の不器用さへの向き合い方が、この小説の生命線となっている。35にもなると、自分たちの若い頃を客観的に見つめることができるようになる。その距離感から改めて読むと、彼らの試行錯誤が一層愛おしく感じられた。完璧さを求めず、むしろ未熟さの中に輝きを見出す眼差しが素晴らしい。 迷いながらも前へ進もうとする姿勢。仕事の疲れの中で、そのメッセージが心に届いた。