砂漠
新潮社 | 2010/07/01
みんなの感想
大人になってから読む青春小説というのは、なぜこんなに染みるのだろう。 仕事の効率化や最新の技術ばかり追い求める日々を送っていると、この本に描かれる5人の学生たちの迷いや、過剰さを持て余しながらも何かを求める様子が、痛いほど懐かしく感じられました。 印象的だったのは、著者がボウリングや麻雀といった日常の場面を通じて、一見すると無意味に思える出来事が、実は深い絆を紡いでいく過程を丁寧に描いていることです。エンジニアとして問題解決に慣れた身からすると、この「意味を後から見出す」というアプローチが新鮮でした。 パンクロックのビートという表現が示唆する通り、全体を通じて躍動感と疾走感があります。青春特有の不安定さや不完全さを、むしろ肯定的に捉えようとする姿勢が心地よい。 慎重に本を選ぶ方ですが、この作品は確実に価値があります。20代の記憶を揺さぶりたい人、あるいは今の若者たちを理解したいと思っている大人に、特にお勧めしたい一冊です。
新社会人として働き始めた今、この本を読んで本当に良かったと思います。 大学時代の青春を描いた作品ということで、正直なところ「今さら青春小説?」という思いもありました。でも、読み始めてみると、その不安は完全に払拭されました。5人の登場人物たちが経験する様々な出来事を通じて、自分たちも何かを模索していた時代を思い出させてくれるんです。 特に印象的だったのは、登場人物たちの「未熟さに悩みながらも先へ進もうとする姿勢」です。現在進行形で同じような悩みを抱えている自分にとって、すごく響きました。パンクロックのビートというフレーズが示す通り、リズミカルで爽快感のある文章で、重くなりすぎないのも良い。 慎重に本を選ぶ方なので最初は迷いましたが、口コミで高く評価されていたので思い切って読んでみました。結果として、現在の人生段階で出会うべき一冊だったと感じています。青春小説というカテゴリーに収まらない、普遍的な価値を持った作品だと思います。