スピノザの診察室

スピノザの診察室

夏川 草介

出版社:水鈴社 出版年月日:2023/10/27

水鈴社 | 2023/10/27

4.67
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

話題の本ということで手に取った一冊でしたが、これは本当に素敵な物語ですね。『神様のカルテ』シリーズの著者の最新作ということで期待していましたが、期待以上でした。 京都の町中の病院で働く医師・雄町哲郎という人物が、どのような思いで患者と向き合い、人生と向き合っているのか。妹を失った悲しみを抱えながらも、甥と共に歩み続ける姿勢に胸が打たれました。医師としての倫理観や葛藤だけでなく、人間らしさ、そして何より「希望」の大切さが丁寧に描かれています。 57歳という年代だからこそ、人生のいろいろな局面を見つめ直させてくれる深さがあるんだと思います。命とは何か、幸せとは何かという根本的な問いに対して、この本が静かに語りかけてくる感覚がありました。医療の現場を舞台にしながらも、決して重苦しくなく、むしろ温かみのある語り口が素晴らしい。 パート勤務で忙しい日常の中でも、こういった良質な作品に出会えるのは読書の喜びですね。心がしっかり満たされる一冊です。

感想

『神様のカルテ』シリーズを読んでいたので、この新作にも期待していました。実際に手に取ってみると、その期待を大きく上回る完成度に驚きました。 主人公の医師・雄町哲郎の人生選択や葛藤が、細やかに描かれています。最愛の妹を失い、甥の龍之介との生活を選んだ彼が、患者たちと向き合う中でどのように変わっていくのか。その過程が本当に丁寧に紡がれていて、一気読みしてしまいました。 医療現場の現実とそこで生きる人間関係が、決してセンチメンタルに陥らず、むしろ冷静に描かれているところが秀逸です。人の幸せとは何か、命とは何かという問いに対する著者からのメッセージが、最後にしっかりと形になっていました。 仕事で疲れた心身に優しく届く作品です。確かにシリーズを超える傑作だと感じました。同じような世代の男性には特におすすめしたい一冊です。

感想

医師である主人公が患者さんと向き合う中で、本当の幸せとは何かを問い直していく物語ですね。『神様のカルテ』も好きでしたが、この作品も素敵です。 京都の地域病院という舞台が、なんだか親しみやすい。派手さはないけれど、そこに集まる人たちの人生が静かに描かれていて、読んでいて温かい気持ちになりました。主人公が甥っ子さんと暮らしながら、仕事も家庭も大事にしている様子が、なんか自分と重なるところもあって。 特に良かったのは、命に向き合う医師の葛藤がきちんと書かれているところです。難しい内容でも読みやすく、押し付けがましくない。登場人物たちが見せる優しさや強さが、自然に心に沁みこんできます。 現在進行形で人生と向き合っている年代だからこそ、この本の問いかけが胸に響くのだと思います。気軽に読める小説が好きな私でも、読み終わった後に「人の幸せって何だろう」と考えさせられました。パート仕事の合間に少しずつ読みましたが、いい気分転換になりましたよ。

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