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あるはずのない海(2)

あるはずのない海(2)

伸たまき 新書館 1997年10月1日

感想

通常、マンガというジャンルは自分の読書の優先順位では後回しになりがちだったのだが、この作品は随分と異なる体験をもたらしてくれた。ライトノベル原作のマンガ化ということで当初は心構えをしていなかったものの、蓋を開けてみると実に丁寧な世界観の構築と、思想的な深みが込められていることに驚かされた。 「あるはずのない海」の二巻は、第一巻で提示された謎と矛盾がさらに層を重ねていく段階で、物語の本質に触れ始めるだイラストの美しさと相まって、抽象的な概念を視覚的に理解させる力が秀逸である。自営業を営む者として、現実と非現実の境界について考察することの重要性を改めて認識させられた。 執筆者の想像力の質の高さが随所に感じられ、単なるエンタメ作品の枠を超えた思索的な面白さがある。この年代で新たな表現形式の可能性に目を開かされるのは、読書家としてこの上ない喜びである。続きが待ち遠しい。

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