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名画で読み解く メディチ家12の物語

名画で読み解く メディチ家12の物語

中野京子 光文社 2026年2月18日

感想

本シリーズの最終巻ということで、期待を持って手に取った。メディチ家という題材は、高校の世界史で習う程度の知識しかなかったが、この一冊でその奥深さが明確に理解できた。 商家からの成り上がりという、いわば庶民的なバックグラウンドを持ちながら、ルネサンス期のイタリアで最高権力を握るまでに至った経緯が、絵画という視覚的なアプローチで示されるのは実に効果的だ。単なる歴史解説に留まらず、各時代の美術作品を通じてメディチ家の栄光と衰退を追体験できる構成は秀逸である。 新書というコンパクトなフォーマットながら、内容の密度は十分で、一度読み終わった後も参考書として机の傍に置いておきたくなる。自営業として人間関係や権力構造に関心を持つ身としては、メディチ家がいかにして政治的影響力を構築していったかという側面も興味深く読めた。 シリーズを通じて欧州の名家を学んできたが、この最後の一冊でイタリアという独特の歴史背景をしっかり押さえられたのは満足度が高い。新書としての完成度と、テーマの選び方の妙を高く評価したい。

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