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元気でいてよ、R2-D2。

元気でいてよ、R2-D2。

北村薫 集英社 2012年8月21日

感想

同世代の女性たちの心の揺らぎを描いた短編集ということで、期待を込めて手にしました。夫の浮気疑惑や女友達との会話の中で、ふと顔を出す本音や負の感情——日常の中で誰もが経験しそうなテーマです。 読んでみると、確かに女性心理の繊細さは上手く描かれていると思います。特に「マスカット・グリーン」では、妻の不安や焦燥感がリアルに伝わってきました。ただ、全体的には着地点が見えにくい話が多く、「結局どうなるの?」と少し物足りなさを感じてしまいました。 短編集は気軽に読める利点があるのですが、この作品は各編の深掘りが足りないせいか、キャラクターに対する感情移入が今一つ。むしろ長編でじっくり描かれた方が、この作者の良さが引き出されるのではないかと思います。 39歳の私としては、登場人物たちの年代や状況に共感する部分は多いのですが、それだけに「もっと丁寧に描いてほしかった」という思いが残りました。決して悪い本ではないのですが、他にも素敵な作品がある中では、優先度は高くないかもしれません。

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