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感想

新聞や雑誌の短編随筆というフォーマットが、こんなにも洗練された世界観を作り出すことができるのか、と改めて感じさせられた一冊です。 大正・昭和初期に執筆されたものとは思えないほど、描かれる人間模様が今でも生き生きとしています。著者の観察眼の鋭さと、それを表現する散文の美しさが相まって、ページをめくるたびに「こういう人、います」と頷いてしまう。仕事で疲れた日々の中で、こうした軽やかで知的な文章に触れることは、私にとって何よりの栄養になります。 ただ、下巻ということで既に上巻を読んでいることが前提となるため、初心者には多少の予備知識があった方がスムーズに入り込めるかもしれません。また、時代背景への理解があると、著者の批評性がより鮮明に立ち上がってくるでしょう。 それでも、エッセイが好きで、古典的な教養に触れたいという読者には、心からお勧めできる一冊。慎重に選ぶ私でも、この質の高さには納得です。

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