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風が強く吹いている

風が強く吹いている

三浦 しをん 新潮社 2009年7月1日

感想

39歳になると、青春小説というジャンルは自分の人生とは別の世界だと思い込んでいました。ですがこの本は、その先入観を見事に打ち砕いてくれました。 箱根駅伝という目標に向かって走る10人のランナーたちの物語なのですが、彼らの葛藤や成長の過程が、年代を問わず心に響きます。それぞれが異なる背景や想いを抱えながら、襷を繋ぐという行為を通じて仲間と繋がっていく—その描写の丁寧さに引き込まれました。 何より素晴らしいのは、「速く走る」ことではなく「強く走る」ことの意味が、静かに、しかし力強く伝わってくることです。仕事で疲れた日常を送る私たちにとって、彼らが自分の限界に向き合う姿勢は確かな励ましになります。 文章も読みやすく、長編ながら一気読みできました。時間があるときにゆっくり味わおうと思っていたのに、気がつけば徹夜してしまったほどです。39年生きてきて改めて感じる「純粋さ」への憧れと尊敬が、このページを送る手を止められなくしました。

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