きらきらひかる

きらきらひかる

江國 香織

出版社:新潮社 出版年月日:1994/06/01

新潮社 | 1994/06/01

4.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

最初は題名の可愛らしさに惹かれて手に取ったのですが、蓋を開けてみると予想外の深さに引き込まれました。 アルコール依存症と同性愛という重いテーマを扱いながらも、どこか優しく、ユーモアに満ちた筆致で描かれているのが印象的です。笑子と睦月という二人の奇想天外な結婚の形を通じて、「愛する」ことの本質について何度も考えさせられました。 セックスレスという設定は一見奇妙ですが、それが逆に二人の関係の誠実さを際立たせています。自分たちの弱さや傷を全て受け入れた上で、それでも相手を大切にしようとする姿勢に、正直心を打たれました。 一点、内容が結構重いので、読む時の気分選びが必要かもしれません。私も仕事で疲れていた時期は少し読むのに時間がかかりました。ただ、そうした迷いもありながら読み進めた甲斐があります。最後まで読むと、この物語全体が一つの愛の形を肯定しているのだと感じられて、とても良い読後感になります。 慎重に本を選ぶ私だからこそ、このような作品に出会えたことは本当に良かった。多くの人に届いてほしい一冊です。

感想

出版から時間が経った作品ですが、レビュー評価が高いということで手に取ってみました。正直なところ、最初は設定の奇抜さに戸惑いました。でも読み進むうちに、その設定が実は非常に誠実な問いかけだったことに気づかされます。 セックスレスの夫婦、アルコール依存、隠された同性愛——社会的には「問題」と見なされるような要素ばかりが詰まっているのに、なぜか登場人物たちの関係に違和感がない。むしろ、ありのままの自分たちを相手に知ってもらうことの勇気と優しさが伝わってきます。 フリーランスとして自由に生きている私だからこそ響いたのかもしれません。世間的な「正解」に収まることを拒否しながらも、それでも誰かを愛したい、信頼したいという切実さが、この小説全体を貫いています。笑子と睦月の関係を見ていると、「愛する」ことの本質について深く考えさせられます。 構成や文体も洗練されていて、読み応えがありました。人間関係について考え直したい人、恋愛や結婚の定義に疑問を持つ人にこそ読んでほしい。上質な1冊です。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ