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若き日の詩人たちの肖像(下)

若き日の詩人たちの肖像(下)

堀田 善衞 集英社 1977年10月1日

感想

下巻を読み終わって、率直に言うと期待と現実のズレを感じました。2・26事件という歴史的背景の中で描かれる青年の内面世界は、確かに興味深いテーマです。ただ、全体的な構成や叙述のテンポが、私には少し入り込みにくいところがありました。 文学的な価値や歴史的な重要性を否定するわけではありません。むしろそうした点は十分に感じられます。ですが、読み進める中で、描写の厚みと物語の推進力のバランスが、私の好みとはやや合致しませんでした。下巻だけの問題ではなく、全体を通じて、もう少し明確な軸足があれば良かったかもしれません。 会社員として忙しい毎日の中で読む本だからこそ、慎重に選びたいという思いが強いのですが、この作品は確かに意欲作です。ただし、すべての読者にお薦めできるかといえば、その辺りは個人差が出るかもしれません。時代小説や自伝的作品が好きな方なら、違う評価もあるでしょう。限定的ながら、読む価値のある一冊ではあります。

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