莉子の本棚
わたしの美しい庭

わたしの美しい庭

凪良 ゆう ポプラ社 2021年12月7日

感想

凪良ゆうさんの『流浪の月』を以前読んでとても感動したので、この作品も手に取りました。最初は屋上の縁切り神社という設定が少し変わっているなと感じましたが、読み進むうちに引き込まれてしまいました。 血のつながりのない家族が、当たり前のように一緒に生活し、そこに訪れる様々な人たちの物語。どの登場人物も何らかの生きづらさを抱えているのに、この作品全体を貫く温かさに心が救われます。特に子どもたちの素直さと大人の静かな優しさのバランスが素晴らしい。 ボランティアの仕事をしていると、人間関係の悩みや心の葛藤について考えることが多いのですが、この本はそうした複雑な感情を丁寧に描いています。押し付けがましくなく、自然体で物事を受け入れる登場人物たちの姿勢が印象的でした。 文庫本のサイズも読みやすく、何度も立ち返りたくなる作品です。慎重に本を選ぶ方にもお勧めできる一冊だと思います。