莉子の本棚
感想

明治の啓蒙書ということで、日本の近代化の歴史を学びたいと思って手に取りました。福沢諭吉と並ぶ重要な著作だというので、慎重に選んだ一冊です。 ただ、実際に読んでみると、正直なところ現代の私たちにはやや距離がある内容だと感じました。原著が19世紀のスコットランドの著作で、さらに明治時代の日本人による翻訳ということで、どうしても時代を重ねた言語や思想が介在しています。自助精神や独立心といった基本的なメッセージは理解できるのですが、具体的な事例が遠すぎて、現代生活との結びつきが見えにくいのです。 また、登場する300余人の成功談も、古い時代の欧米の著名人ばかりで、高齢の私でさえ知らない人物ばかり。参考になりづらく、読むのに相応の忍耐力を要しました。 歴史的価値は十分にありますが、啓発を求めて読むには工夫が必要な一冊だと思います。明治文化の研究や思想史に興味のある方には向いているでしょう。

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