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感想

明治時代の啓蒙書がこんなに現代的だとは思いませんでした。『西国立志編』は単なる歴史的遺産ではなく、今を生きる私たちにもじわじわと響く思想の書です。 「天は自ら助くる者を助く」という冒頭の言葉が全てを象徴しています。自助精神、独立独行の大切さが300余人の成功談を通じて語られるのですが、決して押し付けがましくない。むしろ、当時の若者たちが抱いていた不安と希望が、現在の私たちの迷いと通じるものがあると感じました。 新しい時代への移行期に書かれた本だからこそ、変化への向き合い方が参考になります。単に成功ノウハウ本ではなく、人間がいかに主体的に生きるべきかを問う深い思想がある。中村正直の翻訳も素晴らしく、原著の意図を大切にしながらも日本の文脈に落とし込んでいるのが分かります。 大学院での研究活動を続ける自分にとって、くじけそうになった時に読み返したい一冊になりました。福沢諭吉の『学問のすゝめ』との比較も面白そうです。

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