近藤の本棚
今昔物語集(本朝部 5)

今昔物語集(本朝部 5)

永積安明 / 池上洵一 平凡社 1968年4月1日

感想

古典文学を体系的に読み進めたいという思いから、この『今昔物語集』本朝部に手を取ってみました。平安時代の説話集ということで、どのような世界観が広がっているのか期待していたのですが、正直なところ、読み進めるのに相応の集中力が必要です。 収録されている各話は短編形式で、説話の数々が淡々と記録されているという印象。古典らしい簡潔な文体は品があり、ときどき興味をそそられる挿話も含まれています。ただ、現代語訳であっても、話と話の繋がりを追うのに工夫が必要で、一気読みするのは難しいのが実際のところです。 エンジニアとして、ロジカルに整理された情報構造を好む私には、この散文的な記述スタイルが若干もどかしく感じられました。それでも、日本文化の基層を理解する上では避けて通れない古典であることは確実です。歴史や古典文学に強い関心がある方であれば、より深い読書体験ができるのだろうと思います。腰を据えて取り組む価値はある一冊ですが、全巻を揃えるかどうかは、次巻の出来次第で判断したいところです。

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