近藤の本棚
サイコロジー・オブ・マネー

サイコロジー・オブ・マネー

モーガン・ハウセル / 児島 修 ダイヤモンド社 2021年12月9日

感想

仕事でデータ分析ばかりしていると、数字の背後にある人間的な判断や行動パターンへの興味が薄れていく。この本はそこに気付かせてくれました。 ウォールストリートジャーナルの評判が高かったので手に取ってみたのですが、期待以上でした。著者が提示する「破産した大富豪と資産を築いた清掃員の違い」という対比は、単なる成功哲学ではなく、心理学的な深さがあります。 特に印象的だったのは、お金の扱いが知識や技能の問題ではなく、行動や思考のクセに左右されるという指摘。エンジニアとして論理的思考を重視してきた身には、この視点の転換は新鮮でした。各章の事例も実在の人物が基になっているため、説得力があります。 ただ、投資の具体的な手法については詳しく書かれていないので、実践的なテクニックを求める人には物足りないかもしれません。むしろ「なぜ自分たちは経済的判断を誤るのか」という根本的な問いへの答えを探している人向けです。 長期的な人生設計を考える上で、一度は読んでおく価値のある一冊だと思います。

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