近藤の本棚
孔子は、いかにして「神」になったのか

孔子は、いかにして「神」になったのか

湯浅 邦弘 NHK出版 2026年2月10日

感想

孔子がどのようなプロセスを経て世界三大聖人へと祀り上げられたのか、その歴史的な道のりを丁寧に追う一冊です。 エンジニアとして論理的な思考に慣れた私にとって、この本の構成は非常に理解しやすかった。単なる孔子の生涯記ではなく、時代ごとの人物たちがいかに孔子の思想を解釈し、展開させていったのかを、著作を通じて段階的に説き明かしていく手法が秀逸です。生前は失意の中で終わった一思想家が、後世になぜ「神」のごとく扱われるようになったのか——その疑問に対する答えが、慎重に構築されていきます。 新書という限られた紙幅の中で、中国思想史という広大なテーマを見事にまとめています。専門知識がなくても追いやすく、かつ浅すぎない内容バランスが素晴らしい。思想史に興味がある方はもちろん、人間や歴史がどのように評価を変えていくのか、その仕組みを知りたい方にもお勧めできます。唯一、もう少し詳しく知りたいと感じた部分もありますが、それは別の専門書に譲られるべき範囲でしょう。

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