ペンネームの本棚
ジニのパズル

ジニのパズル

崔 実 講談社 2019年3月15日

感想

図書館の新着コーナーで見かけて、なんとなく手に取ってみた一冊です。正直なところ、こういった文学的な重い作品は気になりながらも敬遠していた部分があるんですけど、この本は本当に引き込まれました。 ジニという少女の揺らいだ日常が、淡々とした語り口でありながらも胸に迫ってくるんです。複数の土地、言語、そして文化の狭間で必死に生きようとする姿が伝わってきて、ページをめくる手が止められませんでした。芥川賞の候補作というのも納得です。 特に良かったのは、子どもの視点から見た世界が、とても丁寧に描かれているところ。親や教育者の目線じゃなくて、当事者である少女がどう感じ、どう考えていたのかが心に残ります。確かに難しいテーマを扱っているんですが、肩肘張らずに読める文体なので、こういう系統の本が初めての方にも良さそうだなって思いました。 気軽に読書を楽しみたいという自分のスタイルにぴったりで、同時に心にしっかり届く作品です。ぜひ多くの人に読んでほしいですね。