ジニのパズル
講談社 | 2019/03/15
みんなの感想
ジニという一人の女性を通じて、アイデンティティって本当に複雑だなって改めて感じさせられた。東京、ハワイ、オレゴンと場所を移されるたびに、彼女がどう自分と向き合っているのかが細かく描かれていて、読んでいて息苦しさと同時にどうしようもない共感があった。 朝鮮語がわからないまま朝鮮学校に通う葛藤、二つの言語の狭間で生きることの辛さ—こういった具体的な経験って、正直なところ自分と遠い世界だと思ってた。でもジニの視点で物語が進むにつれて、「居場所を探す」「何者かになりたい」という普遍的なテーマとしてぐんぐん引き込まれていった。 構成も工夫されていて、過去と現在が交錯しながら一つのパズルのピースが揃っていく感じがいい。群像新人文学賞受賞作だっていうのも納得できる完成度だと思う。気軽に読める本とは言いがたいけど、一気読みしてしまった。もやもやした感情を抱えたまま終わることになるけど、その余韻がずっと残る。そういう読書体験も好きだ。
図書館の新着コーナーで見かけて、なんとなく手に取ってみた一冊です。正直なところ、こういった文学的な重い作品は気になりながらも敬遠していた部分があるんですけど、この本は本当に引き込まれました。 ジニという少女の揺らいだ日常が、淡々とした語り口でありながらも胸に迫ってくるんです。複数の土地、言語、そして文化の狭間で必死に生きようとする姿が伝わってきて、ページをめくる手が止められませんでした。芥川賞の候補作というのも納得です。 特に良かったのは、子どもの視点から見た世界が、とても丁寧に描かれているところ。親や教育者の目線じゃなくて、当事者である少女がどう感じ、どう考えていたのかが心に残ります。確かに難しいテーマを扱っているんですが、肩肘張らずに読める文体なので、こういう系統の本が初めての方にも良さそうだなって思いました。 気軽に読書を楽しみたいという自分のスタイルにぴったりで、同時に心にしっかり届く作品です。ぜひ多くの人に読んでほしいですね。
図書館で見つけたこの本、タイトルが面白そうだなって手に取ったんです。読み始めたら、もう止められません。 ジニという女の子の複雑な立場が、ほんとうに切実に伝わってきました。二つの国の間で、二つの言葉の間で、どこにも完全には属せない気持ち、それがどんなに大変だったかが、素人の私にも痛いくらい分かります。学校をたらい回しにされて、それでも必死に生きようとする姿勢に、思わず応援したくなりました。 特に朝鮮学校での経験の部分は、私たちが知らない世界だけに、引き込まれてしまいました。同じ日本に住んでいるのに、こんなに違う人生を歩んでいた子がいたんだなって、少し反省させられた気分です。 難しい内容かと思いましたが、文庫本だし読みやすくてですね。人物の心情がしっかり描かれているから、一気に読めてしまいました。若い人だけじゃなく、私のような年代にもぜひ読んでほしい。この本を通じて、いろんなことが見えてくる気がします。