カラフル
出版社:文藝春秋
出版年月日:2007/09/01
文藝春秋 | 2007/09/01
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みんなの感想
『カラフル』は本当に素敵な作品ですね。最初は独特な設定に戸惑いましたが、読み進むうちにすっかり引き込まれてしまいました。 自殺を図った少年の体に魂がホームステイするという面白い仕掛けから始まるこの物語。複雑で窮屈な家庭環境にいる少年・真が、主人公である「ぼく」とのやり取りを通じてどう変わっていくのか。その過程が本当に丁寧に描かれています。 特に心に残ったのは、真が少しずつ周囲との関係を築いていく様子です。最初はモノクロームに見えていた世界が、少しずつ色づいていく—タイトルの『カラフル』の意味がこんなところにあったのかと気づくと、また一層良さが深まります。 公務員として毎日ルーティン的な仕事をしていると、つい人間関係も世界も単調に見えてしまうことがありますが、この本を読んでいると「ちょっと視点を変えてみるだけで世界って変わるんだな」って感じさせてくれるんです。重い話題を扱っているのに、決して暗くならない、そのバランス感覚も好きです。気軽に読めるのに考えさせられる、そんな一冊です。