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マカン・マラン

マカン・マラン

古内一絵 中央公論新社 2025年11月20日

感想

文庫化を機に手にしてみた一冊です。ドラァグクイーンのシャールが営むお店の話と聞いて、最初は正直どんな内容なのか見当がつきませんでしたが、読んでみるとこれが実にいい。 四つの物語それぞれに登場する人物たちが、みんな何かしら心に抱えているんですね。仕事に疲れた女性、親子関係に悩む少年、いろいろ。そこへシャールが用意する料理がね、ただ食べ物ではなく、その人その人に必要な何かを運んでくるような感じなんです。 説明文にもありますが「苦しかったりつらかったりするのは、ちゃんと考えて前へ進もうとしている証拠」という言葉。これは人生経験を重ねた身には、改めて胸に響きました。何も悩まず楽なだけが良いわけじゃない、そういう当たり前のことをあらためて思い出させてくれる。 気軽に読める小説として、でもどこか心が温まるものとして。素敵な作品です。

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