本棚の住人の本棚
感想

久しぶりに徹夜してしまいました。これほど一気読みしてしまった小説は、最近ではなかったですよ。 妻が忽然と消えた夜から始まるこの物語。刑事である夫と、誘拐された妻という二つの視点が交互に語られていくんですが、この構成が実に巧妙です。夫がどうやって妻を救い出すのか、そもそもこれは事件なのかどうか、読み進むにつれて徐々に真実が浮き彫りになっていく。その手法に引き込まれてしまいました。 何より驚いたのは、単なるミステリーじゃないんですね。一人の刑事が妻を想う気持ち、人生を支え合う二人の絆というものが、これほど深く描かれている。人生経験もそれなりにある私だからこそ、余計にその重みが胸に響きました。 短編ではなく文庫本という手頃なサイズも嬉しい。パート帰りに少しずつ読むもよし、一気に読むもよし。こういう気軽に楽しめる本格的な警察小説は、本当に貴重だと思います。年を重ねた今だからこそ味わえる面白さがある、そんな一冊です。

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