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感想

直木賞受賞作ということで、慎重に選んでこの作品を手に取りました。正解でした。 フランスの歴史を背景にした法廷ドラマとでも言うべき作品ですが、単なる歴史冒険譚ではなく、権力に立ち向かう一人の弁護士の信念と勇気が描かれています。16世紀という時代設定ですが、人間関係の機微や正義とは何かという問いかけが、現代にも通じる重みを持っていることに驚きました。 田舎の無名な弁護士が、国王という絶対的な権力に立ち向かう構図は、緊迫感に満ちています。著者の綿密な時代考証と、登場人物たちの心理描写が実に丁寧で、一気読みさせる力があります。王妃の苦境に心が揺さぶられながらも、フランソワの揺るがぬ正義感に励まされるような気持ちで読み進めました。 64年生きてきて、こういう骨のある小説との出会いは貴重です。何度も「この場面でどうなるのだろう」と先を急かされましたが、終章までの構成も見事でした。文庫本のサイズも手になじみやすく、じっくり読むのに最適でした。迷わずお勧めできる一冊です。

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