健太の本棚
感想

図書館が舞台ってだけで、なんか惹かれて手に取ったんですよね。このミステリアスな雰囲気、辻村深月さんならではだなって思いながら読み進みました。 主人公の理帆子が本の世界に逃げ込むしかない心情が、ものすごくリアルに描かれていて。フリーランスでしがらみが多い自分も、共感するところがいっぱいありました。親との関係、友人関係、そして自分が本当に大切なものを見つけられていないってもどかしさ。そういった日常的なモヤモヤが丁寧に積み重ねられていくんです。 藤子・F・不二雄の作品とのリンクも秀逸。懐かしさと切実さが混ざった不思議な感覚に包まれます。物語が進むにつれて、ドラマティックな展開も訪れるんですけど、最後まで人間ドラマとしての説得力を失わない。これは本当に傑作だと思う。 気軽に読める軽さと、心に残る深さが両立している。こういう小説こそ、くつろぐ時間に読むのが最高ですね。

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