みつこの本棚
生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

生命とは何か 溶けていく「個体」の境界線

中屋敷 均 講談社 2026年2月19日

感想

最近のボランティア活動を通じて、人と人のつながりの大切さをより実感するようになりました。そんな折に出会ったこの本は、その感覚をより深い科学的視点から教えてくれました。 「わたし」という存在がいかに多くの生命体の共存によって成り立っているのか。腸内細菌から細胞内小器官まで、私たちの身体は実は無数の「他者」で満たされているという指摘には、本当に驚かされました。これまで「個体」として認識していた自分が、実は複合体だったなんて。 著者の説明は丁寧で、複雑な生命観を分かりやすく導いてくれます。新書という限られた紙幅の中でも、最新の研究知見がしっかり盛り込まれており、知的な充実感が得られました。 何より心に残ったのは、この視点が根本的に「独りでは生きられない」という謙虚さをもたらしてくれることです。年を重ねるほどに、人も自然も全てがつながっているんだという感覚が大切だと感じます。知的好奇心を刺激しながらも、温かみのある一冊です。

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