快楽主義の哲学
文藝春秋 | 1996/02/09
みんなの感想
澁澤龍彦という名前は昔から何度か目にしていたけれど、なかなか手に取る機会がありませんでした。今回、この本を読んでみて、その理由がわかった気がします。彼の思想は確かに「煽動的」で、世間一般の価値観と真っ向から対立しているんですね。 「人生に目的などない」という前置きから始まる彼の議論は、私たちが当たり前だと思い込んでいることへの挑戦です。これまでの人生で、私も無意識のうちに「意味のある人生」を求めてきたのかもしれません。でも、この本を読むと、そういった強迫観念から解放されるような感覚を覚えます。 三島由紀夫が絶賛したという触れ込みもあって、文学的な重みと知的興奮が詰まっています。難しい理論かと思いきや、日常生活のなかに落とし込める実感があるのが良いところ。会社員という限られた人生のなかで、何をどう選ぶのかについて改めて考えさせられました。 ページ数も手頃だから、通勤時間に少しずつ読み進めるのにぴったり。時々、手を止めて考えるのが私のスタイルです。人生観が変わる一冊とまでは言いませんが、もやもやとした思いがすっきり整理される感覚があります。
澁澤龍彦のこの著作、ずっと気になっていました。三島由紀夫も絶賛したという「幻の書」とは何とも惹かれるではありませんか。 七十を過ぎて、人生という長編を読み終える時分になると、世間一般が説く「人生の目的」や「理想の幸福」といったものに対して、素朴な疑問を感じるようになります。この本は、そうした疑問に真っ正面から答えてくれます。快楽という言葉は俗に聞こえるかもしれませんが、澁澤が論ずる「具体的な快楽」は実に精妙で、奥深い。 ボランティア活動をしていると、人々の様々な人生模様に触れます。成功だけが幸福ではなく、失敗の中にも、困難の中にも、人間らしい喜びが息づいている。その根本にあるのは、実は澁澤が言う快楽主義の哲学ではないか——読み進むうちに、そんな考えが強まりました。 文体は挑発的ですが、核にあるのは深い人間理解。人生の黄昏期にこそ読む価値のある一冊だと思います。時を経ても色褪せない思想の輝きが感じられました。
三島由紀夫が絶賛したという帯文に惹かれて手に取った一冊。澁澤龍彦の『快楽主義の哲学』は、新社会人として世間一般の「正解」に縛られ始めた自分にとって、実に解放的な読書体験となった。 人生に目的などないという冒頭の言葉は衝撃的だ。だが危険な虚無主義ではなく、むしろそこから逆説的に立ち上がる「具体的な快楽」への向き合い方が、この本の真骨頂である。抽象的な幸福を追い求めるのではなく、いま、ここで感じられる具体的な喜びを信じろという論旨は、企業人生が始まったばかりの自分にとって、実用的なガイドとなった。 澁澤の筆致は煽動的とあるが、読み進めるほどに説得力を増していく。難解な哲学書でありながら、立て板に水の流麗さで理論が展開され、ページを捲る手が止まらなかった。時代を超えて新しい問いを投げかけてくる古典の強みを存分に感じさせてくれる良書である。評価の高さは伊達ではない。
半年前くらいに読んだ、面白かった!堅苦しくなくて読みやすかった、てかほぼ悪口だった もっかい読みたいと思うやつだった