りょうの本棚
47都道府県女ひとりで行ってみよう

47都道府県女ひとりで行ってみよう

益田 ミリ 幻冬舎 2011年4月7日

感想

この著者の旅に対するスタンスが実に潔い。派手な観光地巡りでもなければ、グルメ探訪でもない。ただひたすら「行ってみる」という純粋な動機で47都道府県を踏破する。自営業をしていると、時間の融通がきく分、いかに意味のある使い方をするかが問われる。その点で著者の選択は学ぶべき点が多い。 本書は旅行ガイドではなく、むしろ人生の選択についての思考の記録だ。異なる土地、異なる季節、異なる自分との出会いを通じて、何かが少しずつ変わっていく過程が自然に描かれている。33歳から37歳という人生の一区間を、旅という形で自分と向き合う時間にする。その勇気と実行力に共感する。 淡々とした筆致ながら、各地での出来事や出会いから滲み出る著者の思想の深さが印象的である。決して大げさな表現ではなく、日常の中の発見が積み重なっていく喜び。これは多くの自営業者にとって、人生設計の参考になる一冊だと思う。年相応の経験を重ねた今だからこそ、こうした旅の価値が理解できる。

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