りょうの本棚
「ちゃんとしなきゃ」をいちいちやめてみる

「ちゃんとしなきゃ」をいちいちやめてみる

キャメレオン竹田 大和書房 2026年3月11日

自営業を営む中で、ついつい自分に課してしまう「ちゃんとしなきゃ」という呪縛。本書を手にしたのは、その疲れの正体を知りたかったからだ。 著者の語り口は実に素直で、説教臭さが一切ない。むしろ、読んでいて「そうそう、そういうことだよ」と何度も頷かされた。現代人が背負わされた「完璧さへの執着」の不毛さを、軽やかに、時にはユーモアを交えて指摘していく。この手のテーマは往々にして堅くなりがちだが、エッセイという形式だからこそ、自然と心に落ちてくる。 44歳にもなると、人生経験から「完璧な人間なんていない」と理屈ではわかっている。しかし仕事や人間関係で、無意識のうちに自分を追い詰めてしまう。本書はそうした「わかっているのに」のズレを丁寧に埋めてくれる。頭ではなく、心の層に働きかける文章だと感じた。 人生を少し肩の力を抜いて眺め直したい、そんな時期にある者には特に刺さる一冊だろう。実用性と思想性のバランスが秀逸だ。