りょうの本棚
資本主義と、生きていく。

資本主義と、生きていく。

品川皓亮 大和書房 2026年2月18日

COTEN RADIOの調査チームによる本書を読了した。正直、期待以上の内容だった。 自営業をしていると、つねに「数字」との戦いである。売上、利益率、顧客数——これらの指標に一喜一憂し、それが自分の価値判断の基準になっていることに薄々気づいていた。本書はその違和感の正体を、歴史的背景から丁寧に解き明かしてくれる。 特に印象的だったのは、資本主義がいかに私たちの思考様式そのものを形成してきたか、という視点だ。単なる経済体制の説明ではなく、時間、競争、労働という概念が如何に再構築されたかを、膨大な歴史研究から導き出している。これは新書の枠を超えた知的深さがある。 難点があるとすれば、やや概念的な部分が複雑で、一度の読了では完全には消化しきれない点だろう。ただしそれも、読み返す価値のある証拠と言える。 同世代の経営者や管理職には特に勧めたい一冊。この本との出会いが、仕事との向き合い方を変えるきっかけになるかもしれない。