裕子の本棚
仙薫堂香り噺 残り香

仙薫堂香り噺 残り香

篠綾子 徳間書店 2026年2月10日

感想

江戸の香りの話ときいて、つい手に取ってしまいました。おりんのお話が好きで以前読んでいたので、この著者さんの新しいシリーズなら間違いないだろうとね。 仙薫堂という香のお店を舞台にしたお話なんですが、なんともいい香りが立ち上ってくるような、そういう世界観なんです。跡取り娘のおみつさんと、お店に訪れるいろいろなお客さんとの関わりが、とても素敵に描かれています。人生でいろいろあった方たちが、香という切り口で物語が紡がれていく。読んでいると心がほわっと温かくなりますよ。 江戸の時代設定も心地よくて、パート仕事で疲れた日の夜なんかに、ゆっくり読むのに本当にぴったりです。一話一話が短編みたいにまとまっているのも、気軽に読める私たちのような者にはありがたい。難しくなくて、でも深い人情がちゃんとある。こういうお話をもっと読みたいなあって思わせてくれます。文庫本だし、手ごろなお値段なのも嬉しいですね。

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