ゆーきの本棚
あなたが誰かを殺した

あなたが誰かを殺した

東野 圭吾 講談社 2026年8月12日

感想

話題の新刊を見かけて、つい手に取ってしまった。加賀恭一郎シリーズの最新作とあれば、これは読まねばなるまい。 セレブの別荘でのバーベキューパーティから始まる事件。五人が殺され、犯人が出頭するというだけでも唐突だが、その後の展開が実に巧妙だ。死刑を望む犯人、納得できない遺族たち、そして謎の手紙。重層的に謎が積み重なっていく構成に、もう手が止められない。 東野圭吾はこの年になっても実に工夫をしている。読者の予想を裏切り、設定も複雑ながら、決してごちゃごちゃしていない。加賀刑事が現れてからの活躍も見事で、「覚えておいて。彼に嘘は通用しない」というキャッチコピーの意味が心に沁みる。 八十年も生きていると、小説の仕掛けもある程度は見えてくるものだが、それでもなお裏切られた喜びがあった。ここまで綿密な謎解きを見せられると、さすがは一線級の作家だと改めて思う。最後まで一気読みしてしまった。話題作にして傑作。文庫でも十分その価値を損なわない。

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