てつの本棚
死ぬ消える終わる怪談

死ぬ消える終わる怪談

神沼三平太 竹書房 2026年2月28日

感想

怪談好きの自分としては、この『死ぬ消える終わる怪談』は大当たり。竹書房の怪談本は外れが少ないとは聞いていましたが、期待以上でした。 何が良いかといえば、単なる恐怖心を煽るだけでなく、人生の喪失感や社会的な抹殺という、現代人にとってリアルな怖さをテーマにしている点。死そのものより、存在を消されることの方が恐ろしいというコンセプトは、教員として人間関係を扱う身としても心に響きます。 13編の短編ですが、どれも独立して完結していながら、底流に流れる「報い」という共通のテーマが一つの世界観を作り出している。「忘れ物を取りに」の兄弟の話や、犬を飼うと不幸になる家系の因果関係など、気になる設定が満載です。読み始めるとつい続きが気になって、夜中に一気読みしてしまいました。 短編集なので通勤時間や寝る前に気軽に読めるのも、仕事が忙しい身にはありがたい。怪談初心者にも既視感がなく、ベテランも唸らせる傑作揃いだと思います。

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