てつの本棚
感想

直木賞受賞作ということで手に取ったのですが、こんなに心に残る本に出会えるとは思いませんでした。 家族という存在を見つめるこの短篇連作は、どの話も人間関係の複雑さと切なさに満ちています。禁断の感情、すれ違う想い、自分の居場所を求める悶悶とした心情——これらが丁寧に描かれていて、読みながら何度も立ち止まってしまいました。教室で毎日生徒たちと接していると、家族の形もそれぞれなんだと改めて感じます。この本もまた、「正解」のない家族のあり方を静かに肯定している気がして、その優しさが素晴らしい。 各短篇が独立しながらも家族というテーマで深く繋がっていく構成も見事です。読んでいて「星座」というタイトルの意味がじわじわと理解できる瞬間がある。父の戦争の傷痕という歴史的背景もあれば、現代の人間関係の悩みもあり、時間や世代を超えて「家族」について問い直させてくれます。 40を超えた今だからこそ、この作品の深さが響くのかもしれません。ぜひ多くの人に読んでほしい一冊です。

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