りくの本棚
感想

SNSで話題になってるのを見かけて、思わず手に取った一冊。正直、期待以上の面白さでした。 私立高校の教師が殺害される事件を中心に、学校という限定空間に潜む人間関係の歪みが次々と明かされていく。登場人物たちが口々に語る「真実」が、読み進めるたびに矛盾していく快感。犯人は誰なのか、そもそも何が本当なのか──その問いが最後まで揺らぎ続けるんです。 何が良いって、誰もが何らかの秘密や後ろめたさを抱えていて、その小さな嘘や隠蔽が事件全体を複雑に絡ませていく構造がすごく巧み。学園という密閉された世界で、大人も子どもも立場も利害も異なる人間たちが、それぞれの正義で動いている。そのリアルさが本当に怖い。 新社会人として職場の人間関係を学ぶ身としては、なおさら共感できる部分が多かった。この本で描かれる「言わぬが花」「察して」といった日本的な人間関係の危うさは、社会に出たからこそよくわかる。 最後の展開は賛否あるかもしれませんが、個人的には大満足。一気読み必至の傑作です。