恋とか愛とかやさしさなら

恋とか愛とかやさしさなら

一穂ミチ / 一穂 ミチ

出版社:小学館 出版年月日:2024/10/30

小学館 | 2024/10/30

4.67
本棚登録:6人

みんなの感想

感想

SNSで話題になっていたので手に取ってみました。プロポーズの翌日というタイミングで起きた事件——正直、ストーリーだけ見ると重くて、読むのに覚悟が必要かもと思っていたんです。でも読み進めるうちに、単なる謝罪と許しの話じゃないことに気づきました。 信頼、欲望、愛情の本質について、登場人物たちが向き合う過程がすごくリアルなんですよね。新夏の葛藤、啓久の後悔、周囲の人間関係の複雑さ——どの視点も納得できる。完全な正解がない問題を前にして、それでも人間はどう生きるのか、という問いが心に残ります。 新社会人として働き始めた今だからこそ、人間関係の難しさが身にしみて感じられました。著者が「男と女の欲望のブラックボックス」と表現しているように、ここには深い人間観察があります。重いテーマながら、決して救いがない話ではなく、むしろ希望や成長を感じさせる終わり方がいい。話題作だからこそ読む価値がある一冊でした。

感想

高瀬隼子さんの推薦文に惹かれて手に取った一冊です。正直なところ、こうした現代的な問題を扱った作品は少し躊躇しながら読み始めましたが、著者の誠実な筆致に引き込まれました。 幸せな瞬間の直後に起こる予期せぬ出来事。そこから揺らぐ信頼関係、葛藤する主人公の心情が丹念に描かれています。単なる道徳的な判断ではなく、人間関係の複雑さ、許すことの難しさについて深く考えさせられました。 長年生きてきた中で、人を信じることの重さや、傷つくことの痛みについてあらためて考えさせてくれる物語です。容易ではないテーマを扱いながらも、決して読み手を突き放さない温かさがあります。 この年代だからこそ感じる部分も多くあり、同年代の方々にも是非読んでいただきたい一冊だと思います。

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