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司馬遼太郎全集 第14巻 関ヶ原 一

司馬遼太郎全集 第14巻 関ヶ原 一

司馬 遼太郎 文藝春秋 1973年1月30日

感想

司馬遼太郎の代表作『関ヶ原』を改めて手に取りました。管理職として歴史小説には時々目を通すのですが、この作品は期待値が高かっただけに、少し物足りなさを感じてしまいました。 確かに、戦国から江戸への転換点を描く筆力は見事です。徳川家康と石田三成の対立構図も明確で、歴史小説としての基本は押さえています。ただ、全集の第14巻という位置付けもあってか、登場人物たちの心理描写が散漫に感じられました。組織運営に関わる立場だからこそ、もっと各武将の政治判断や葛藤の深掘りを期待していたのです。 司馬作品には珍しく、冗長な部分も目立ちます。史実を忠実に追うあまり、物語としての緊張感が緩んでいるような印象を受けました。これまで読んだ他の著作と比べると、やや読み進めるのに労力がいります。 それでも、歴史学的な価値や言語表現の美しさは確かに存在しています。この時代への理解を深めたい方なら十分な内容ですが、小説としての完成度を求める読者には、他の司馬作品をお勧めしたいというのが正直なところです。

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