はるかの本棚
硝子の塔の殺人

硝子の塔の殺人

知念 実希人 実業之日本社 2025年10月3日

感想

本屋大賞のノミネート作という触れ込みに加えて、島田荘司や綾辻行人といった大家たちからの絶賛コメントが並んでいるのを見かけて、これは読まずにはいられないと思いました。 実際に手に取ってみると、560ページという分量も忘れて一気読みしてしまいました。硝子の塔という象徴的な舞台設定、そこに集められたゲストたち、次々と起こる事件—この構図だけでも惹きつけられるのに、名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬の二人の掛け合いが実に魅力的です。 管理職という立場で、人間関係や心理描写に敏感になってきた自分にとって、各登場人物がなぜこの館に集められたのか、それぞれが何を隠しているのかといった部分が、謎解きと同等に興味深く映りました。 評論家たちが「綱渡りのどんでん返し」と表現した仕掛けの鮮やかさは、確かに驚かされます。十三年前の事件との繋がりも含めて、最後まで予想を裏切られっぱなしでした。現代ミステリの傑作を読んだという確かな手応えが残ります。

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