直人の本棚
殺し屋がレジにいる

殺し屋がレジにいる

榎田 ユウリ 講談社 2025年12月17日

感想

最近、話題になっていたこの作品をようやく手に取りました。人生経験も多く、社会の不条理にもそれなりに目を瞑ってきた年代として、この本が描く女性たちの怒りと解放の物語には心を揺さぶられるものがありました。 主人公たちの「すみません」と「しょうがない」で自分を縛ってきた人生が、ある瞬間から大きく変わる。その転機の描き方が実に生き生きしていて、読んでいて痛快感すら感じました。特に、モラハラやカスハラといった昨今の社会問題が物語の中で容赦なく描かれているところが良い。単なるエンタメではなく、社会への問題提起として機能しています。 女性へのジェンダー的抑圧、世代による葛藤、そして自分たちの人生を取り戻すことの重要性——これらのテーマが70代の殺し屋という奇想天外な設定を通じて表現されるのです。一見突拍子もない設定かもしれませんが、メッセージの強さは十分に伝わってきました。 世代を超えて、多くの人に読まれるべき一冊だと思います。