山口の本棚
感想

競馬とも馬とも無縁な私ですが、この本はぐいぐい引き込まれました。装蹄師という職業をここまで丁寧に描いた作品は初めてです。主人公が馬の筋肉に触れて、その資質を読み取る場面の描写が本当に素晴らしくて、ただ技術的なだけじゃなく、人間と馬との関係性の深さが伝わってくるんです。 直木賞受賞作というので構えていたのですが、重くなりすぎず気軽に読める文体なのも良かった。登場人物たちのそれぞれの事情や背景も複雑に絡み合っていて、読み進めるうちに本当に応援したくなる。特に幼馴染の関係性や、プライドの高い馬とそれに向き合う人々の姿が胸に響きます。 平凡な日常の中で、人生の転機を迎える人たちを温かく見つめた作品という印象です。競馬レースのシーンも緊張感があって、最後まで一気読みしてしまいました。文庫本だから持ち歩きやすいのも、こういう長編には助かります。49になって、こういう大人っぽい物語をゆっくり楽しむのも悪くないなと改めて感じた一冊です。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ