山口の本棚
感想

世界的な振付家へのインタビューを通じて、一本の物語が立ち上がっていく構成が見事でした。戦前戦後の日本バレエの歴史をたどりながら、予期しない人間関係が明かされていく緊張感に、一気読みしてしまいました。 久我一臣という実在の人物の人生の重さが、丁寧な取材と対話の中で浮かび上がってくるんです。戦争という過酷な運命の中にあっても、芸術への向き合い方を貫く姿勢には本当に感動しました。仕事で疲れた日々の中で、こういう「痛みを知る者だからこそ見える光」という視点をもらえるのは、心が救われる思いがします。 二人の編集者と記者が、久我との対話を通じて自分たち自身の人生とも向き合う過程も素敵で、単なるインタビュー記事ではなく、人間関係の織り合う輪舞曲だというタイトルの意味がしみじみ伝わってきました。気軽に手に取った本でしたが、思わぬ深さに引き込まれました。疲れた時こそ、こういう本を読むといいなって改めて感じます。

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